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大したことは何も書いていない

5月5日

マリー・ローランサンとモード展に行った

 

京セラ美術館には初めて足を踏み入れたが、建築としても非常に美しく、インスタ映えスポットとして有名になるのも無理はないと思った

 

今回の展示はココ・シャネルの展示でもあった

 

ココ・シャネルは女性をコルセットから解放すると共に、スポーツウェアを取り入れ、女性の身体を解放したという前知識はあったものの、これほど詳しい解説を見るのは初めてだった

 

私はこのことから〝ココ・シャネルのクリエーションはきっとフェミニンな作りでは無いのであろう〟と思っていた

 

実際は違った。女性の体に沿ったシルエットとパターン、そして過ごしやすい素材使い。とても美しいと思った

 

近年、ファッション界でもジェンダーレスが叫ばれているが、私は一概にジェンダーレスだからこそ美しいとは思わない

 

男性が究極にマスキュリンな服装をすること、女性が究極にフェミニンな服装をすることもまた〝美〟だ

 

性別を曖昧にすることもまた〝美〟だと言えるが、これだけは念頭に置いておきたい

 

ジェンダーとしての〝性〟は認識によって変えられるが、セックスとしての〝性〟は認識によって変えられない

 

身体と〝性〟は切っても切り離せないのだ

 

その人が持つボディラインをいかに活用するか、逆にいかに殺して作りたいイメージに持っていくかがファッションの今後のキーになると思う

 

〝美〟というのはあくまで認識的なものであり、認識とは人によって違うものだ

 

メゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターを務めるジョン・ガリアーノは性別を曖昧にする、ジェンダーレスな〝美〟を追求していると私は思っている

 

これを美しいと思うかは私たち次第だし、これを売れるものに仕上げなければいけないのがプレタ・ポルテの難しいところであると思う

 

誰に対しても美しいものは誰に対しても最適な美しさではない。言うなれば、〝誰に対する美も兼ね揃えてはいない〟のだ

 

オートクチュールプレタポルテ。それぞれの美しさがあり、それぞれの難しさがあると思う