7月9日
村田沙耶香の「地球星人」を読了する
この小説を入院中に読むと友人に伝えた時、少し止められた。もう少し止めて欲しかったと今度伝えようと思う
とても引き込まれる世界観ではあるし、とても美しい文章なのだが、正直少し衝撃的な内容だった。
村田沙耶香先生の作品はとても素晴らしいと思う。「コンビニ人間」を読んだ時もそう思った
けれど、彼女の作品を誰かに勧めたいかと言われると首を傾げたくなるし、好きな作家を聞かれて「村田沙耶香」と答える人とは少し距離を取りたいと思ってしまう
前提として、僕は彼女の作品が好きだ。ただ読むのに覚悟がいるだけで
クリント・イーストウッドの映画も同じだ。素晴らしい作品ばかりなのだが、見るのに少し覚悟がいる
今日は早めに本読みが終わったので、2日ぶりに病院の外に出てみた。といっても併設されているセブンイレブンまでだけれど
セブンイレブンで少し買い物をして、駐車場の端の車止めに腰掛けた
久しぶりに見る空はやけに広くて、いつもより遠く感じた
昨日読んだ小説の一説に「春が落ちてきた」というものがあった。それはとても印象的で、僕の心に残った
桜が川の水面に落ちる様が連想できて、とても素敵な表現だ(物語中では一応〝春〟は人名なのだが)
なら夏はなんだろうか、とスイカバーの緑の部分を齧りながら考えた
高すぎる気温や日光に着目するなら〝照りつける〟だし、セミや夏休みの子供の声に着目するなら〝鳴る〟だろうと思った
僕はきっと暫くこの命題について考え続けるだろう。幸い、時間はたんまりとある
今日はお昼頃は雨が降っていて、夕方には止んでいた。この頃天気を気にしていなかったことに気がつく
明日は手術なので、明後日からは積極的に外に出てみようと思う