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大したことは何も書いていない

4月10日

お彼岸に食べるお餅のことを春は「牡丹餅」といい、秋は「おはぎ」という

 

これらの語源は非常にわかりやすいもので、春には牡丹が咲くので牡丹餅、秋には萩が咲くのでおはぎと言うらしい

 

実はこれには夏と冬の名称があることを知った

 

夏は「夜船」、冬は「北窓」と言うらしい。語源を以下に引用する

 

〝夜船〟

夜船の語源は、二説ある。

ひとつは、おはぎの作り方に由来する説。
おはぎはもち米とうるち米を混ぜて炊き、すりこぎで半つきにして作るため、餅と違って杵を搗く(つく)音がせず、いつ搗いたか分からない。
夜の船は暗くて、いつ着いたか分からない。
そこから、「いつの間にか搗く」と「いつの間にか着く」を掛けて、おはぎを「夜船」と呼ぶようになったとする説。

もひとつは、おはぎの見た目に由来する説。
おはぎは中が白く、外が黒いところから、中が明るく、外が暗い夜船にたとえたというものである。

断定はできないが、おはぎの別名の多くは「搗く」に由来するため、夜船も「着く」に掛けたと思われる。

 

〝北窓〟

おはぎを「北窓」と呼ぶのは、おはぎの作り方に由来する。
おはぎは餅のように杵で搗かずに作ることから、「搗き(つき)入らず」。
北にある窓は月の明かりが入らないため、「月入らず」。
「搗き入らず」と「北窓の月入らず」を掛け、おはぎを「北窓」と呼ぶようになったといわれる。

 

*https://gogen-yurai.jp/yofune/

 https://gogen-yurai.jp/kitamado/

 

またこれらは女房詞といわれる、室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始めた衣食住の物事に関わる隠語らしい

 

これらは意外と現代でも使われているものが多く、〝おかか〟や〝おかず〟、〝しゃもじ〟なんかもこれに該当する

 

隠語が一般的になってしまったというのはなんとなくシニカルで、面白いと思う

 

さて、私の人生のバイブルのひとつでもある池波正太郎氏の〝男の作法〟にはこのような言葉が残されている

 

鮨屋へ行ったときは

シャリだなんて言わないで

普通に

ゴハン」と言えば

いいんですよ。

 

ご飯のことをシャリといったり、醤油のことをむらさきといったりするのは鮨屋同士での隠語であって客が使う言葉ではないのだという

 

確かに今となっては常識のような言葉になりつつあるが、1歩間違えば〝銀座〟のことを〝ザギン〟と呼んでしまうような危なっかしさを感じる

 

つくづく日本語というのは面白い言語だと感じる

 

今日はそんな隠語の話